ぶんちょうの小部屋

徒然なるままに。

イラストの仕事の思い出

わたしがイラストの仕事を始めた頃の話。当時まだ26〜27歳くらいですかね。

 

ひょんなことから中古パソコン雑誌にイラスト(カット)を描くことになりました。

最初に電話かメールで打診があるのですが(いつも締め切りギリギリに依頼が来た)それは携帯電話の比較記事でした。もちろんその当時はガラケーですし、まだ携帯電話がそんなに普及していない頃です。

わたしは「描きます」と返事しましたが、さて自分が携帯電話を持っていない。「明日バイト帰りに家電量販店にカタログをもらってこようか」などと思っていたら編集部からイラストの指示が書かれたFAXが来ました。

 

そこには携帯電話の比較を忍者同士の戦いになぞらえたエピソードが書かれていました。

 

は?なぜに忍者??

 

もう少し詳しく説明すると、「若造の忍者vsベテラン忍者」「クールな忍者vs熱血忍者」「くのいち同士の戦い」「いぶし銀の魅力の老忍者同士の戦い」などのストーリーが生き生きと書かれていました(どんな技を使ったとかそういうことも細かく書かれていた)。

 

とりあえず携帯電話の資料は要らないので、資料集めの時間を作業に回せてラッキー。

 

翌日にはラフを送りOKをもらったので(ていうかすでに締め切りギリギリで描き直すような時間もなかった)Illustratorで仕上げをしてデータを送りました。

 

それから数週間後、雑誌が出来上がってきました。

携帯電話の比較記事を見たらちゃんとわたしが描いたイラストも載っている。

 

しかしなんという事でしょう!本文に忍者の忍の字も載っていません!

 

つまりどういうことか。

機能や使用感などが真面目に書かれた携帯電話の比較記事に、なんの脈絡もなく意味不明な忍者のカットが数点載っているという状況でした。

 

きっとこのライターさん、記事を書き上げた開放感でノリノリになって趣味丸出しの指定を書いたのでしょう。

 

その後一度そのライターさんの原稿にイラストを付けましたが、やはり本文と関係なさそうな絵を描いた気がします(あまり覚えてない)。

 

雑誌は5号くらいで廃刊になりました。